ユビエダハマの課題 #1
シュノーケリングで身近に見ることができる造礁サンゴと言えばハマサンゴの仲間ではないだろうか。
ビーチから数メートル進めば紫色のオオハマサンゴが現れ、ちらほら見えるイエローグリーンのコブハマサンゴにユビエダハマサンゴの塊が現れる。
私自身そのシュノーケリングから影響を受け、水槽のコンセプトはボンベの要らない超浅場で、ユビエダハマサンゴやコブハマサンゴに群がるスズメダイの光景を切り取った水景である。
あの光景を再現したくて飼っているわけだが、どうも当初思い描いた雰囲気とは違うようになっている。
今後どうすればあの光景を蘇らせる事が出来るのか、過去に実際生息していた場所を思い出しその環境を可能な限り再現し、他の方が上手く飼えている環境を探り以前のようなユビエダハマサンゴの色形を戻していきたいと思う。
形と色が違う
ユビエダハマサンゴに限っては入荷時の色は淡緑色であったが現在黄褐色気味だ。
形は斜め下に向かい成長してしまっている。
最近は添加剤もほぼ使用せずにいた影響もあったのか、一時期は淡黄色の綺麗なユビエダハマサンゴであったが現在は一部褐色が乗りお世辞にも綺麗とは言い難い。
形も成長手段を変えてはみたものの中々上手く変化しない。
本来ならば淡いグリーン
そもそもなぜイエローに傾いたのだろう
アクアリストの立場からまず考えられるのは栄養塩の低さと照明の明るさ、そして波長だろう。
超浅場と言えば青みの少ない白から黄ばんだ非常に明るく、栄養塩の低い水質環境と推測される。
しかしながら実際に見たことがあるなら分かるはずだが、ユビエダハマサンゴの居る浅場の海はそう思うほど黄ばんでは見えなかったのを思い出す。
そして、よく見られるユビエダハマサンゴのだが浅場エリアなら何処にでも生息している訳ではなく、ある一定の条件下でしか生息していないのではないかと。
よく考えてみればユビエダハマサンゴが生息するエリアはビーチから数メートル程度。潮が引けば腰よりも浅くなり波によって舞い上がる砂の影響も浅場とは言え色々なのだろう。同じエリアにはフトトゲサンゴのイエローも見られる。
砂浜の直ぐ隣にはビーチパークやホテルが隣接し淡水も流れ込みやすくお世辞にも栄養塩の低い清浄な海水とは思えなかったが本文下部にある通り特段と栄養塩が高い事は無かった。
沖縄(ナガンヌ、水納島)では家族が居たため自由に行動できなかったが、グァムは個人で行くのでタモンビーチからイパオビーチまでの約3km程の砂浜をずっと歩き生息していそうなポイントを見てアクアシューズの中に砂が入り指の皮が剥け痛みを我慢しながら歩いた結果だ。
実際に水質を測ってみた
エダハマサンゴの塊が多く見られるグァムのイパオビーチ
ホテルから数メートルのビーチにその塊が多く生息していた。
用意した測定器は海水用屈折濃度計とハンナのリン酸測定器(ULR)
そして、持ち帰ってトリトンに出した分。
濃度は35ppt
リン酸は0.02ppm (8ppbから換算)
トリトンに関しては何ら基準レンジを外れることもなく可もなく不可もなく。
トリトンの資料は手元にはないが今でも覚えている。
リン酸だけが栄養塩ではないのだが、ビーチ沿いとは言え栄養塩が高いとは言えない。
続く
次回 #2 照明を考える
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